8月の思索ダイエット
8月31日(水曜日) 断酒130日目。10キロ歩き28日目。体重80.4キロ。体脂肪率19.6%

 あ〜あ、あ〜、あ〜、8月が終わるよ。
 8月の始まりはさ、仕事いっぱいやって、がーっと生きて、もう一生これぐらい真剣に生きたってことがないぐらいの一ヶ月にしようって思ってたのにさ。スーパーオーガストにしようって、どこかに書いた記憶もあるのにさ。今日で終わりだってよう〜。今日でさあ。
 子供の時といっしょだなあ。あ〜あ、あ〜、夏休み終わっちゃうよ。宿題こんだけ残っているのに夏休み終わっちゃうよ〜。プールあんまり行かなかったなあ。女の子との出会いもなかった。でも夏休みが現実に終わっちゃうよ〜、みたいな。

 仏教本、今月仕上げるはずだった。書いたのは「まえがき」と一章、二章。あと、八章残ってる。
 甘鯛に続いて「花鯛」仕上げるはずだった。うまくいけばもっと。
 花鯛を・・・食っただけだった。

 でも、「ブーの国」改訂原稿を入稿したし、「甘鯛」もゲラになって出てくるし、「ジョン7」は世に出たし、ジム・ビームの絵も描いたし、谷川岳登ったし、一関に講演に行ったし、かき氷食ったし、断酒は続いているし、みんな元気だし、ボクも元気だし、よく考えればなかなかの8月でした。感謝!

 そう。これでいいのである。そして9月こそ記録的原稿量を!

8月30日(火曜日) 断酒129日目。筋トレのみ。測定せず。

 こわーい話の稲川淳二さんと朗読バトルをやることが決まった。
 日程は11月27日。情報公開は9月2日ということなのでそれまで待って下さいね。
 名付けて、「稲川淳二VS明川哲也 怪談朗読バトル」
 稲川さんのこわーい話はすぐSOLD OUTしてしまうので、チケット発売日は要注意して下さい。

 今日は川原で炭を熾して、火遊びをした。
 ソーセージを焼いてみた。
 すると突然雨が。

 仕方ない。戻って仕事するか。
 パソコンに向かってみた。
 すると突然眠気が。

 こういう日もある。
 雨だから走れないし、大人しく寝るとするか。布団に入った。
 すると突然目がぱちり。

 そのまま布団の中で目をらんらんとさせていた。
 明け方まで眠れなくて、しょうもないことばかり考えてしまう。
 よし、起きて仕事するか。
 すると突然眠気が。

 ふーっ。

8月29日(月曜日) 断酒128日目。筋トレのみ。測定せず。

 ニューオーリンズを大きなハリケーンが襲っているらしい。
 なぜハリケーンはいつも女の人の名前なのだろう。
 かつての米軍統治時代は、日本に上陸する台風も女の人の名前を付けられたらしい。キティ台風とか。
 何となく、その理由はわかるような気もするが、恐いので書かない。

 今回のハリケーンはカトリーナとか何とか。これまでにやってきたハリケーンの数を考えると、女の人の名前は足りているのだろうか。足りなくなった場合、アジアの女性名とかはあり得るのか。それともシモネッタとか、希有なイタリア名に流れたりするのだろうか。ちょっと心配だ。

 男女公平にして、日本でももう一度台風に名前を付けるというのはどうだろう。11号とか13号とか呼んでるより、まさえちゃん台風とか、ひろしくん台風とか呼んだ方が味があっていいような気がする。でも、きっと迷惑だという人も出てくるんだろうな。やっぱりだめか。

 今日は原稿あまり進まず。その代わり、腹筋デーにしてみた。やみくもにやってばたんQ太郎。

8月28日(日曜日) 断酒127日目。10キロ歩き27日目。体重80.6キロ。体脂肪率18.5%

 今日、電車で正面に座った高校生風の男の子が、5つぐらい年上に見えるちょっときつめ、かなりエッチめな女の子の腕にグワシッとしがみついていた。時々グワシッならいいのだが、のべつまくなしグワシッなのである。そうか、最近は男の子の方が女の子の肩にしなだれかかることがあると聞いていたが、なるほどなと思っていたら、何と男の子の手に握られているのは「東京の大学受験マップ」ではないか。そーか、そーか、君はどこかの田舎県から大学受験の下見に来たのだな。それで昨日は横のお姉さんとどこかで出会い、良かったら泊まっていかない? なんて言われて「え、いいです」とか断ったものの、なぜか足はお姉さんのお部屋に向いてしまい、いいこちゃんいいこちゃんしてもらっている内にグワシッと行ってしまったというわけだ。なんちゅううらやましい大学受験の下見なのだ。お前、それで合格(うか)ると思ってる? とかなんとかぼんやりしていたら、ワープして「矢切りの渡し」に着いていた。

 毎日キャリアナビのお散歩写真のために、最近は月に1〜2回ぶらぶらと歩いている。今日は柴又帝釈天、江戸川、金町、北千住、南千住コース。はっきり言って、ボクから見てもお姉様やお兄様(しかもかなり年上)しか歩いていないエリアなのである。
 ちなみに、左の写真が矢切りの渡し。往復百円である。何だか嬉しそうな顔して対岸の千葉まで渡してもらい、再び嬉しそうな顔で戻ってくる人たちがいる反面、「なんだよ。レコードぐらいかけてくれないと駄目じゃないか」と憤然としていた意味不明な家族もいた。人それぞれである。でも、理解できず。

 あ、そうそう。茅ヶ崎の沖右エ門丸で巨大なニモ(カクレクマノミ)が揚がったらしい。貴重な写真があるので、ぜひ見ていただきたい。沖右エ門丸HP・扉ページの「最新写真集」をクリック!

 モ沖右エ門丸へワープ!

8月27日(土曜日) 断酒126日目。さぼり。測定せず。

 朝カルの9月10日・11日の花巻ツアー。今日、打ち合わせがあった。
 やはりちょうど花巻祭りとぶつかるらしい。岩手で一番大きなお祭りだそうだ。
 ボクはお祭り、というより縁日が好きなので、ツアー終了後の11日はできればお店を見て歩きたいなと思っている。

 最近の縁日はあれだね。ヤドカリ屋さんがないね。
 子供の頃、虫屋よりもヤドカリ屋を見るのがプライオリティとしてあった。
 たぶん南方からやってきた大きなヤドカリたち。土に刺さった割り箸を器用に登っているものもいた。
 ってことは、ヤシガニを売っていたのか?
 カラーひよこは子供心にも無惨だったけれど、ヤドカリはまあ、手頃な遊び相手だったわけで。

 「ブーの国」「甘鯛」・・・ともに最終稿を出版社に送った。
 これからは書きかけの仏教本と「花鯛」の一気呵成である。それが終わったら「ジョン7」のパートナーを書き上げることになる。うわっと降りて来ているので、あとは時間と体力との相談だ。数年は書く材料に困らない。ただ、世間というものがボクにはないので、それが多くの人に読まれるかどうかは別問題。職業作家になるなら、ここが大きな壁だな。
 ニンニクの醤油漬け、調子いいかも。

8月26日(金曜日) 断酒125日目。10キロ歩き26日目。体重80.3キロ。体脂肪率17.9%

 執筆業って何だろう。
 小説書くって何だろう。
 ずっと机に向かっている。これ、人生なの?
 という疑問がそれこそずっとあった。バンドやってた頃から。

 今日、わかりやすい解凍を、いや、解答を得た。
 それは「ブーの国」を再三手直ししている時にふいに訪れた暁光でもあった。

 人生をとことん味わうことだよ。
 その意味をとことん考え抜くことだよ。
 感じることさ。

 なんだ。ボクら物書きは、人生が仕事だったのだ。
 そこに辿り着いて、今日笑いながら走った。5キロで苦しくなった。
 その苦しささえ面白かった。またひとつ突破したぞ。しかも今回のは大きかった。

8月25日(木曜日) 断酒124 日目。筋トレのみ。測定せず。

 ジョン7の担当者とジョン7に出てくるお店の人に御挨拶にうかがった。
 今後、読者が訪ねてくるようなことがあるかもしれません。
 その時はよろしくお願いしますね。という御挨拶なのだ。

 店主はなぜか、不思議体験の話ばかりする。
 発光体の話だ。大槻センセだったらプラズマ現象、スピリチュアルな人たちだったら人魂、ほとんどの人にとってはUFOと解釈される話である。
 何冊か献本しなければいけないので、店を変えた。
 するとそこの青年も頭の上を火の鳥が飛んでいったという話をしてくれた。
 いいな。火の鳥。火の車はいつも経験しているが、鳥の方はまだ未体験である。
 そんなものが頭をかすめていったら、逆境をおかずにどんぶり飯が食えるのではないだろうか。

 終電で帰り、台風で増水している多摩川を見にいった。
 昨年の台風ほどではないが、土手のすぐそばまで水は這い上がってきている。流れも速い。胸がすかっとする。
 やはり増水見物はやめられない。と、思ったその時であった。
 外灯のあかりのようなものが川の真ん中を浮き沈みしながら流れていくのである。
 巨大な電気ウキを思い浮かべてもらえば正解か。

 なんだ、これ。おいおい、なんだよ、これ。とひとり騒いでいる間に発光体は下流に流されていった。
 まさか、こんな台風の夜に精霊流ししている人もいないだろうし・・・外灯が流されているなら電線からは切れているから発光するはずがないし・・・誰か、懐中電灯を持ったまま落ちてしまったのだろうかとも考えた。しかし、それを確認するために飛び込むのも何である。結局、大風に吹かれて退散するまで土手で発光体を見送るしかなかった。
 なんだったんだ、あれ。
8月24日(水曜日) 断酒123日目。10キロ歩き25日目。体重81.9キロ。体脂肪率17.2%

 日記形式のHPの辛いところである。
 ここのところ、原稿仕事と夜のトレーニング以外何もしていないため、書くことがない。
 いや、もちろん書くことはたくさんあって、それに没頭しているからこそ書くことがないのだが、たくさんある方の書くことは仕事として書くことなので、それをだらだらここで書くわけにはいかないのである。それに仕事として書くことの方は、書いたり消したり書いたり消したりが激しい。三島由紀夫や中上健次みたいに万年筆でいきなり清書的作家だったら、ボクはもう大作を何本か著わしているに違いない。量だけの大作。

 いっそのこと、戦時中の古川ロッパみたいに食ったものだけ記していくか・・・という気にもなるが、そうか、その可能性があったから「思索ダイエット」にしたのだったと開始してから一年後に気が付く次第。つまり、食ったものを書くのもダイエットを書くのもまったく同じことだったわけで、突き出た腹もへこんだ腹も欲望の成れの果てとしては大して変わらないのである。

 昨日一日さぼって、ごく普通に食べた。それだけで約1キロ増量。
 飢饉の時は強い身体だと思うが、それにしても今は飢饉ではないのだから面倒ではある。
 ところで経済企画庁が、「連続48ヶ月の今の好景気は、岩戸景気と並んで戦後三番目の長さを記録している。バブル前夜とも言えるのではないか」と昨日発表した。あの〜、え〜、どこの国の話をしているのですか? という感じだ。国民が背負った借金は今や600兆円を越えているという。自殺率も上がりっぱなしである。公的資金を返すめどのない大銀行もある。ボーナスの出ない会社も珍しくない。それで今、好景気?

 それともちょっと待てよ。ひょっとしてみんな好景気なのか?
 ボクやボクの友人だけが火ー火ー言っているだけなのだろうか。
 バンドやってた奴とか、人文系の出版社の人とか、俺様とか、よく生きているなと感嘆させられる。
 でもさ(好景気の人たちは放っておいて)、俺様達は自らが太陽になるしかないのだよ。
 太陽ってのは、一年間かけて地球上のあらゆるものに日光をあげようとするでしょう。
 でも、いつも同じところにいてくれるわけではないから、気が付いた時には日光は他のところを温めている。
 それに不平を言っても仕方ないの。自分も温めてもらった時期があるわけだから、今度は自分が太陽にならなきゃだめなんだよ。ま、俺様は夜型人間なので、太陽よりは月の方が好きなんだけれどね。情緒不安的なところも月に似ているか。 

8月23日(火曜日) 断酒122日目。測定せず。

 暇さえあれば奥泉光を読んでいる。電車の中で奥泉。神田三省堂でも奥泉。大雨に降られて奥泉。
 この語りの軽妙さ、誰かに似ている。誰だろう。
 早稲田文学で彼がイトウセイコウさんと対話していた時からそう思っていた。
 
 しかし今日の雨は凄かった。
 靴の中までびしょ濡れである。足の親指と人差し指(というのだろうか)の間までじゅくじゅく濡れている。いやーん。
 神保町がそうなのだから、西調布なんて水没しているのではないかと思った。
 ところがこの田舎駅まで戻ってみれば、路面は昭和40年代風に乾いているのである。カナブンが這っていたりして。
 そこでふと思い出した。
 奥泉光が誰に似ていたかではない。鞄の中の一枚の紙をだ。
 今日ボクは雨に降られる前、商工会議所で簿記三級の賞状を受け取っていたのだった。ファイルすら持っていなかったので、皺になるなあと思いながらディパックに入れた。そのまま数時間が過ぎていた。豪雨。ディパックの放り出し。各喫茶店で尻にも敷いたような。
 開けてみたら笑えた。ぐしゃぐしゃになっている。洟たらし小僧が運動会の賞状をやっと家に持って帰ったようなできばえである。
 しかしなあ、こんなことしていていいのだろうか。色々な作家の顔を思い浮かべた。みんな己の仕事に邁進しているんだろうな。なんで俺様、簿記三級なんてものに挑戦したんだ? ぐしゃぐしゃの賞状を見ている内によくわからなくなってきてしまった。

 田舎にも雷雨がやってきたので今日はトレーニング中止。
 で、奥泉光「モーダルな事象」を読み上げた。最後の方は一気だったなあ。
 体力あるよ、この人。粘りが半端じゃない。抱えたイメージ世界の奔放さもやはり芥川賞作家ならではである。

 嫉妬を越えて疲れがやってきた。
 重松清の筆遣いにはどうしたって適わない。町田康やリリーさんの脊髄をえぐるような筆圧も持ち得ない。
 体力があると言われながら、奥泉さんのそれに圧倒されている。
 なんなんだよ、これ。
 他人の本を読めば読むほどいつも穴底が深くなっていく。そのまま落ちていく。
 で、俺様が手にしているのはぐしゃぐしゃの簿記三級だ。
「存在の耐えられない簿記三級」「簿記三級殺人事件」「ばあさん、ほれほれ、久しぶりに簿記三級してるよ」
 くだらないタイトルしか浮かばない。

 雷が鳴っている。
 今、メキシコにいる佐倉さん(ブーの国の扉を描いてくれた壁画家)の言葉を思い出していた。
「ビリでもいいから付いていくんですよ」
 それは佐倉さん。かなり優秀な人の言葉だよ。
 本当にビリだと、付いていくことすら難しく感じられてしまう。

 奥泉さんのセリフ回し。ボクの友人のまっちゃんのそれであることに気が付いた。
 まっちゃん。今日で転勤である。仙台に行ってしまう。
 久しくなかった鬱が始まる予感。いや、もうどっぷり入っているか。
 解決策はふたつしかない。
 1、欲の正当化。
 2、時を忘れるほどがむしゃらに働くことである。

8月22日(月曜日) 断酒121日目。10キロ歩き24日目。体重81.0キロ。体脂肪率17.3%

 飯田橋の出版社で打ち合わせ。
 帰りに水道橋から九段下まで歩こうと思って、途中でちょっと立ちくらみ。
 ここんとこ炭水化物を節制しているからだろうか。さすがにちょっと食べなければと、九段下の蕎麦屋に入ってせっかくだから天ざるを頼む。天ざるだからな、天麩羅揚げるのに時間かかるだろうからと奥泉さんの本を広げる。
 すると・・・ものの一分もかからないで天ざるが出てきたのである。
 ありゃ、と思いつつ天麩羅に口をつければ半分温かく、半分冷やっこい。

 あ、電子レンジか。

 何だか急速に蕎麦心が萎えていくのがわかったが、そういう不平は良くないような気もしてそそくさと平らげる。
 奥泉さん抱きながら京王線で昼寝。
 疲れたなあ。
 京王ストアでニンニクの醤油漬けを買う。
 夏バテかな。

 酒飲みたいな。酒飲みたい。酒飲みたい。酒飲みたい。酒飲みたい。酒飲みたい。
 でも、約束したから。
 夜、5キロ走って5キロ歩いた。妙な風が吹き始めている。嵐の前だ。

8月21日(日曜日) 断酒120日目。10キロ歩き23日目。体重80.9キロ。体脂肪率16.9%

 朝起きて仏教関係の著作を進め、昼食べて少し寝て、さらに著作を進め、夕食べて「ブーの国」の直しをした。
 それだけの一日なのである。
 夜は上半身裸で10キロ。川べりをずいずい行けば、若い警官と計四回すれ違った。
 下半身は裸ではないので双方が安心してのすれ違いである。
 ただそれだけの一日なのである。

 生温い風が吹いているせいであろうか。月光の妖しさだけは特筆ものであった。
 流れ星がひとつ。
 寒月や標本の鮫牙を剥く
 今日、俳句甲子園で優勝した開成高校の子の作品。気持ちいいな。その視点が。

 朧月 家なき親父 浅き酔い  これは俺様。
 

 

8月20日(土曜日) 断酒119日目。10キロ歩き22日目。体重81.5キロ。体脂肪率17.5%

 さて、創作再開である。
 だが、う〜んと唸りつつパソコンの前で腕を組み、そ〜だ、創作の前に読まなければいけない本があったのだったと気付く。
 日刊ゲンダイから書評を頼まれていたのだ。
 さっそく「大丈夫。人は必ず生まれ変われる」(文藝春秋)を手に取ってみる。表紙の写真が凄い。この人キレ安いんだろうなと思える中年男の後ろにずらりと並んだヤク中の皆さん。そうなのだ。この本は御自身がヤクザの組長、バイニンを経由して今は茨城ダルク(ヤク中更生施設)の責任者をしてらっしゃるごっついおじさんの奮闘記なのである。
 もう、なんかねえ。顔がまず圧巻。
 一気に読んでしまったし、それなりに面白かったのだが、これを書評欄で扱うと、またそういう人物だと思われてしまう気がしてちょっと退く。

 知ってましたか。ボクは電通のタレント・文化人の位置付け表でヤンキー先生の義家さんと同じグループにいるそうです。別にヤンキー先生のこと、これっぽっちも嫌いじゃないのだけれど、えっ、ボクもそうなの? って正直な感想です。誰が間違ったわけじゃない。自分がしてきたことのイメージがそうさせてしまっているのだから、これはまあボクのせいなんですがね。金髪先生は芸だったのになあ。とにかくその先生イメージから脱したい! もう5、6年は苦闘している。ま、イメージ消えないよっていうなら、それはそれで味わって生きていくしかないのだけれど。それでもいいか。

 それで次の本。
「その日の前に」(重松清/文藝春秋)
 泣かせるねえ。重松さん。会ったことないけれど。
 全編にわたって重松節炸裂ですよ。
 ちょっとした運命の違いで、あなたもヤンキー先生になっていた可能性がある。
 だって、生ぬるく湿っぽいもの。浅田次郎先生にも感じるこの湿度だ。(おっと、悪口じゃないよ。ボクはたぶんそれが好き。エモーショナルじゃないものこそ最終的には苦手)
 なんつーかこう、冬のさ、北風が古い窓ガラス揺らす日にさ、いっしょに酒飲んだりするとぽっぽっぽってあったまるってーの。そういうアレかな。重松さんの書くものはいつもそうだねえ。技術的にはもう絶対適わないし、本当にうまい。でもその真ん中を流れているのは舟歌。重松さん、こんなこと書いたら怒るかな。窓の外はわーっと吹雪きでさ、だけどおしんこで飲めるよって。足臭いねって。白虎隊知ってるかって。そういう朴訥な会話。
 でも、キャラが半分重なっているような気がするのでごめんなさいね。尊敬しつつの回避。こういうのは近親のテレ故の撥ね付けです。好きな子が集めた花飾りをわざと蹴散らしに行った時のような。いずれにしても時々わーっと読みたくなる人。そのまま小説抱いて寝ちゃったりしてね。

 それで三冊目。
「モーダルな事象」(奥泉光/文藝春秋)
 これは・・・分厚い。ギボンの「ローマ帝国衰亡史」読みかけだっちゅうのに、こんなものに手を付けてしまうといつボクは自分の創作をやるのだ。だめだ。これは手を付けちゃダメだ。だめだ。自分の時間がなくなるぞ。
 と、警戒しつつ・・・はまってしまった。もう、すっかりはまってしまった。腹筋から震えるあの懐かしき山上たつひこ笑いをひさびさに体験しつつ、本格?ミステリの渦の中にどーっと巻き込まれていく俺様。誰も書いていなければ日刊ゲンダイはこれに決定。
 しかし、こんなものに手を出してしまったらいつ自分の創作をやるのだ!

 送ってくれたI青年、ありがとう。

8月19日(金曜日) 断酒118日目。測定できず。

 ロープウェイ乗り場から車道を3.8キロ歩くと一ノ倉沢である。
 JRの駅にある自動販売機で写真が使われている有名な岩峰。
 下から見るとやはり圧倒される。
 悪魔か仙人ならぜひとも棲息してみたいと思える崖の化物である。

 ただ、圧倒されながらもあっという間に雷雲に囲まれてしまい、今度は激しい雨と雷、つまり気象に圧倒された。
 プールに飛び込んだような状態で登山事務所に飛び込み、そこで何とか雨宿り。
 熱燗を飲みたい気分で、急速に秋に変わりつつある谷川連峰の森を見ていた。

 初雪は10月の終わりぐらいらしい。
 その時にまた登ってみたい。
 重装備だな、今度は。

 こうしてボクの夏休みが終わった。
 明日からまた創作。
8月18日(木曜日) 断酒117日目。測定できず。

 転勤して仙台に行ってしまうまっちゃんの追い出し登山。仲間数人で谷川岳である。
 1500〜1977を往復7時間ほどかけてゆっくり登り降りしたが、岩盤が霧で濡れているために非常に滑り易く、難儀な登山となった。濃霧のため視界は10メーターほど。ピークのトマの耳からもうひとつのピークのオキの耳まで最初は道がわからず、がけっぷちを降りようとするハプニングも。
 全員へとへとで下山。鎖場で立ち往生していた老人とか、果たして下山できたのであろうか。

 谷川岳には二度登頂したことになるが、まだ一度も山頂からの景色を見たことがない。悔しいのでもう一度登るかな。
 日本リンボーダンス協会参事のたいちゃんが、山で野性を取り戻した。
 酔って犬の話ばかりしている。
 
 
8月17日(水曜日) 断酒116日目。10キロ歩き21日目。体重81.2キロ。体脂肪率18.3%

 文藝春秋から秋に出る単行本「ブーの国」。その担当チームとお昼御飯。
 おいしい。何もかもおいしい。
 細かいところまで気をつかってある料理はやはりプロだなと思わせる。そういうレストランが四谷にあるのね。
 ボクは魚介のサラダと鯛の上にじゃがいもを載せて焼いたのと、デザートは桃のお菓子をいただいた。
 100点満点。

 夕方、マネープラスに絵を渡しにいくことになっていたので、午後の数時間がぽかっと空いてしまった。
 いつものように何も考えず、時間が合うという理由だけで映画館に入った。
 加藤剛が主役だ。「砂の器」のイメージがあったから、割と安心して入ったのだ。
 お客さんの平均年齢70オーバー。みんな呼吸が不安らしく、誰かが常に咳き込んでいる。隣のお婆さんは、時折何でもないシーンで「アグーッ」と叫んで立ち上がる。館内にたちこめた老人臭。何かがあったら一番若いボクがまず助けに行かなければいけないという重たい使命感。ということを抜きにしても、生涯最悪の映画を見てしまった。映画になっていなかった。あまりにひどいため、タイトルも紹介できない。そんなにひどいのなら見に行ってみようと思った人が、「本当にひどいじゃないか」と怒り出すのが目に見えているからだ。
 具合悪くなった。

 マネープラスの編集部の皆さんと夕飯。
 編集長が断酒で苦しまれている。
 断酒以外の他のことも同時にやらないとちょっと苦しいかも・・・と、お互いに作を練る。
 結局、紅葉の頃に登山をすることになった。
 登山、いつもやってるけど。
 明日からも。
8月16日(火曜日) 断酒115日目。測定できず。

 もう100キロぐらい走ったら、世界的に名の知られたお医者さんの生家があった。
 そのお家の屋根は藁葺きで、たくさんの人が群がって見ていた。
 お医者さんは小さい時、いろりに落ちて手を大火傷したらしい。指が五本ともくっついてしまったのだ。
 いろりはそのまま残っていた。
 たくさんの人が「おおっ!」とどよめきながらいろりの写真を撮っていた。
 ボクも撮った。いわなでも焼きながら一杯やったらいいだろうなと思えるいろりだった。

 お医者さんは手がげんこのままだから「てんぼー」なんてあだ名が付いてしまう。「ヤン坊、マー防、天気予報」みたいなあだ名だ。
 その後、16歳で手を手術してもらい、そこで医学の力に圧倒されて自らもその道を志すことになる。51歳で黄熱病に倒れるまで、ノーベル医学賞に三度もノミネートされた真摯なる研究生活はみなさんも御存じの通り。

 だけど、ボクなどがこの人の生涯を知ってじーんと来てしまうのは、そういった輝かしい業績とは正反対の一面も持ち合わせているからだ。
 この人、酒に目がなかったらしい。
 借金してまで飲んで財産を食いつぶしたのだ。
 貧乏な家の出。
 早く帰って来て下さいと念じる母の思い。
 母は「あんたにお金を送ってもらったこと、誰にも言ってないよ。言うと家の者がみんな飲んでしまうから」と手紙を書いている。
 なのに本人も・・・父親の血をしっかりと引いていたのね。

 ニューヨークの名士となるまでの研究生活を送りながら帰国する船賃も借りなくてはいけなかった豪快な飲みっぷり。それでいて誰にも負けなかった研究量。人類を背負いながら何をどう飲んだのか。そこんところ、ちょっと調べてみたい気もする。
 よく酒場の親父が「俺、ノーメル賞」なんて言ってつぶれているが、この人はノーベル賞候補者であり、ノーメル賞該当者でもある希有な人物なのである。

 走行中に地震。
 でもトラックにあおられて山道を駆け降りていたので気付かず。
 ふもとで桃屋のおばちゃんが桃と追いかけっこをしていて異変を知る。
「こわがったよう」とおばちゃん。
 でも、桃は甘かった。

 

8月15 日(月曜日) 断酒114日目。測定できず。

 さらに100キロぐらい走ったら洞くつがあった。
 洞くつは好きだ。雑誌の取材で日立市の縦穴洞くつに入って、ラダーで60メートルほど垂直降下して、地底湖にざぶざぶ入って、さらに数十メートルほど進んだところで「バカ」と落書きされているのを見つけたことがある。それ以来、洞くつにも、洞くつに入っていく人たちの心理の方にも双方興味を掻き立てられる。なぜならボクも、洞くつを見つけてしまうと絶対に入っていく人間の一人だからだ。

 それまでのボクは、漠然と人間とはそういうものだと思っていた。
 みんな洞くつファンだと。
 でも日立の洞くつに潜った時、俺はこういうところは嫌いなんだと冷や汗びっしょりになっていた編集者を見て、誰もがみんな洞くつを好きだといわけではないことに気付いた。
 こんなところに入りたがるなんて、お前変だよ。その人はそう言って青い顔をしていたのだった。
 一緒に入った洞くつ潜水協会の人たちも言っていた。
「地底湖に潜りたがるダイバーは少ないんですよね。迷ったら出て来れないし」

 でもさ、冒険ものに洞くつは付き物でしょう。トム・ソーヤが好きなら、洞くつだって好きだろうって感じで。
 ボクの場合、適度な恐怖と適度な温かみから、洞くつには脳みその内部へ通じるイマジネーションの入り口のような印象がある。子供たちが崖を見ると穴を堀りたがるのも無条件に理解できるし。

 展開がいいよね。
 つづら折の洞くつを抜け出ると、そこはひまわり畑であった。
 ぱっと世界が変わるところ。
 たった一日で歴史ががらりと変わってしまうような。

 
 今日もひまわり畑なのである。
 終戦記念日。敗戦記念日。韓国にとっては独立記念日。
 ニューヨークでは歓喜の紙吹雪が舞った日。
 
 「ひまわり」という映画があったな。
 ソフィア・ローレンが戦場から帰ってこない夫を探しに行くストーリーだった。夫はロシア戦線に送りだされて、そのまま現地で別の女性と暮らしていたのだけれど・・・子供心に「戦争が原因なのではなく、単にこっちの女の方が良かっただけなんじゃねえの。だって、ソフィア・ローレン近くで見るとちょっと凄みがあるし」と思ってた十歳だった。

 いずれにしろ、戦後60年目のひまわりである。
 暗い暗い洞くつの上に広がる幸せそうな花たち。しかし。全員同じ方向を向いているので、いなくなる時も全員同じなのね。哀しい花群である。
8月14日(日曜日) 断酒113日目。測定できず。

 300キロぐらい走ったら、海があった。
 メヒカリの海らしい。
 でも、港で釣りをしているおじさんは別の魚をばんばん上げていた。
 なんだろう。ボラかな。このあたりの人はボラ食べるんだろうか。ボラは腹に刃を当ててしまうと匂いが広がって食べられなくなる。瀬開きで洗いにして食べるのかな。
 と思って魚を見にいったら、ボラサイズのサバだった。
 こんなサバ、関東では船でしか釣れない。岸壁からなんて絶対無理。
 おじさん、今夜はサバで一杯やるのかな。いいな。

 雨が激しく降ってきた。
 田舎道の土砂降り。路面が暑いので湯気が出ている。しばらくして新宿コマの森進一ショーみたいになって、何も見えなくなってしまった。
 霧の中でヒマワリが揺れている。
 ボクの頭の中でもヒマワリが揺れている。
 ヒマワリの数を増やしてみたり、一本にしてみたりした。
 ボクの場合はいつも一本だ。でも決して折れない。いや、何度か折れたことはある。
 今は折れないというだけ。

 一本がいい。

8月13日(土曜日) 断酒112日目。10キロ歩き20日目。体重81.4キロ。体脂肪率17.6%

 高校野球は全国優勝したチーム以外のほぼすべての高校生たちに敗北を教えるシステムだと、誰かが言っていたことがある。至言だと思う。
 今日の藤代なんて、三年分ぐらい敗北したもんな。でも、甲子園出たんだから立派。
 ボクはあまり勝ち負けにこだわるタイプじゃなかったので、運動部は不向きだった。
 受験も不向きだった。それで入るのに人より時間がかかった。

 なのに最近、ものを書くということに関しては敗北に神経質になっている。
 誰々より売れたいということではない。そういう意味ではあまり勝ったことがない。
 自分の能力を出せているのか、という点でだ。
 面白いものを書きたいと思いながら、どこかで妥協しているのではないか。勉強が足りないのではないか。

 今の作家は20代、30代で認められてないともうだめなんだそうだ。そういう時代らしい。
 でも、ボクが好きだったアンリ・ファーブルなんか、昆虫記書き出したの59歳だぜ。
 こういうのは無条件に恰好いいと思う。
 そういうスタンスで創作をやっていくわさ。

 自由というのは、いつでも仕事ができる自由と、いつでもどこでもくたばれる自由しかない。ボクの場合は。
 

8月12日(金曜日) 断酒111日目。大雨のため歩けず。測定せず。

 20年前の今日、ボクはネパールのカトマンズにいた。
 サンライズ・ネパールという新聞の一面を見て驚いた。日航機が墜落したという。
 その日、父母が関東から関西へと移動しているはずだった。
 二人がいつも使うのは日航の最終便である。
 ボクはカトマンズにいるということすら、親には伝えていなかった。

 ロッジで自転車を借りて、王宮前の日航オフィスまで走った。三十分ぐらいかかったと思う。
 乗客名簿を見せてくれと頼んだら、ネパール人のスタッフはそんなものないと言う。
 その代わり、神戸の実家に国際電話をつないでくれると言うのだ。
 あの頃、ネパールのような場所から日本に電話をするのは至難の技だった。
 その時もきっちり四十分かかった。
 
 待っている間、お茶とケーキが出てきた。
 ネパール人がボクの肩に手をやり、「どういう形であれ、人生にはこの時がくる」とぽつりと呟いた。
 オフィスの中が暗くなってしまった。
 電話がつながった。母の声が聞こえてきた。
 「どこにいるの?」
 「カトマンズ」
 それだけ話して、いや、実際にはもう少し話したのかもしれないが、ボクは簡単に電話を切った。
 多くの人が犠牲になったのだから、喜ぶ素振りは見せなかった。
 でも、オフィスの空気がほんの少しだけ和らいだ。

 ボクはこの頃、すでに熱が出始めていた。デリーに入って寝込むことになるアメーバ赤痢をすでに発症していたのだ。
 王宮前の日本食堂で冷や奴とビールを頼んだ。
 ネパール人が作った豆腐。箸が刺さったまま抜けなくなった。
 インドには戻りたくないなと思った。混乱していた。

 

8月11日(木曜日) 断酒110日目。10キロ歩き19日目。体重81.5キロ。体脂肪率17.5%

 11月の「ブーの国」単行本発売(文藝春秋)に向けて、各ストーリーの改稿を行った。それぞれ、少しずつ変わっている。この「少しずつ」というところが、実は大きい。抜本的な書き直しではないものの、ラストの印象がまるで変わるものがある。たった一滴の添加液がBTB液の色をぱーっと変えてしまうように、一行はゆうに全体を変え得る。なんちゅうかこう、たった一発のオナラがエレベーターの空気を香ばしくしてしまうことがあるようにね。

 昼、「野性時代」と「マネープラス」が編集部から送られてきた。
 「ジョンを背負って7000メートル」を通読してみる。本の中に取り込まれてしまうと、パソコンに向かっていた時とはイメージが異なるものだが、今回はあまりそれがなかった。他の著者の小説を読む余裕は今日はなし。比較はできない。でも、自分らしい作品を書けたと思っている。「ブーの国」や釣魚シリーズとはまた違った意味で。高校野球にありがちなセリフ。相手は関係ない。自分の野球ができたかどうか。小説もまったく同じですね。

 「マネープラス」の方は・・・何と最近、絵の方を楽しみにしているという読者が現れた。
 それはそれで嬉しいのだけれど、自分はいったい何屋なのか? という問いかけからバンドに終止符を打った部分もあるので、それがまた混乱してくるとやばいなと思っている。
 しかし、絵を描いている時間は好きだ。昔聴いたCDとか引っぱり出してきて、懐かしい感じの時の流れに身を任せることができる。20代の頃の、早稲田のアパートにいた頃。窓の前は隣家の壁っていう・・・天井が発光するぐらいポルターガイストの凄い部屋だったけど。白塗りの坊主刈りの人が壁と窓の間に貼り付いてこっちをじっと見ていることもあったし(実話)。

 ボクの場合、絵の中に未来はない。いつも過ぎた日を確認している。
 小説は過去を書きつつ、いつもこれからを見ている。
 バンドは、もう遠い日の幻だ。
 トマトは、未来そのものである。
8月10日(水曜日) 断酒109日目。10キロ歩き18日目。体重81.9キロ。体脂肪率17.5%

 一日中ゲラと格闘。
 時々昼寝。
 あとはな〜んもなし。
8月9日(火曜日) 断酒108日目。10キロ歩き17日目。体重81.8キロ。体脂肪率17.5%

 三宅島に行こうと思い、東海汽船まで行った。
 乗船券、売り切れ。
 二ヶ月前から売り切れ。

 ほんまかいな。
 三宅島に来て下さいって、NHKでやっていたばかりなのに。
 行く方法がない。

 ゲラを見ながら頭を抱える。
 俺様って、文章書くの下手。このレベルはいい加減突破しないといけないのに。
 次の段階が、ぼんやりと見えてきてはいる。
 きっと足し算じゃなくて、引き算なのだろう。
 
 今の俺様は執筆業者として、厚化粧でアクセサリーじゃらじゃらの安物女に似ている。
 なぜそうなってしまったのかはわかる。雑誌の仕事をずーっとやってきたからだ。
 短い行数の中に、あれもこれもを詰め込まなければいけない仕事である。一緒に取材した編集者から「あれが入っていませんよ。これが入っていませんよ」と叱られることもあった。
 でも、小説はそれではいけない。あれとこれを抜かなければいけないのだ。
 お洒落も(ボクにお洒落を語る資格はないが)引き算。本当に必要なもの以外は大胆に切り捨てるところからノーブルになっていくでしょう。イタリアのあるデザイナー(名前忘れちゃった)の衣装部屋が、黒と白の二部屋に分けられているのを見て驚いたことがある。つまり、その人、私服では黒いものと白いものしか身に付けないのだ。まあ、素材やカットに思いきり凝るんだろうけど。

 だから面白いとも言える。
 文章を書くのは。生活もきっとそうだ。
 年齢は引き算のためにある。
 

8月8日(月曜日) 断酒107日目。5分RUN6。体重81.9キロ。体脂肪率17.5%

 5分RUNなどの思索体操をするようになってから、一ヶ月で4.6キロ減。こりゃ調子いいわいと寿司を思い切り食べたら、御覧のような結果に。一日で2キロも太ってやんの。体重を溜める時はすごく楽。お金は溜まんないのに。
 でもボクはかつて、新大阪から東京駅までの三時間で6キロ太った人(試合後のボクサー、というか圭修の修)を見たことがあるので、そんなに慌てない。またじわじわと落として行けばいいだけだ。

 人間の体って、スポンジみたいに何でも吸収しちゃうみたい。
 学んだことは全然吸収できないのにね。
 うまくいかないものです。

 現在、ゲラと格闘中。
 特に代わり映えのない一日です。
 藤代高校、内角打ちがうまい。残念なことに、二回戦は大阪桐蔭が相手。150キロ近い豪速球を投げる今大会屈指のピッチャーが立ちはだかるとあって、まともな試合はさせてもらえないだろう・・・しかし、あの内角打ちができれば左腕を打ち崩せる機会がどこからか出てくるはずだ。とにかくマシンで150キロに慣れよ。試合では耐えに耐えて、終盤の隙を突けるならそれが唯一の勝機と見た。
 こうやって、夏の大会は初出場の高校を応援しちゃうのよ。
 高知高校も頑張ってちょうだい。

 あ、解散。
 野田聖子さん、小泉さんが怒ったので、もう党の公認は得られないらしい。
 女の人がもう少し内閣にいてもらいたい。
 ちなみに多摩川の河川敷では、このくそ暑い中、女の子だけのラグビーチームが練習しています。
 くんずほぐれずのラックを眺めながら、ああ、あの中に入ってみたい、と思うボクでした。

 

8月7日(日曜日) 断酒106日目。10キロ歩き16日目。体重80.0キロ。体脂肪率20.5%

 JIM BEAMのPR誌用アクリル画が完成。B2版とあって、自分としては大作であった。
 ブーの国、単行本用オープニングがひとまず完成。ちょっといっちゃってる感じ。でもそれが今はいい感じ。
 毎日キャリアナビも来週分は完成。
 よく働いた日曜日であった。

 しかし・・・暑いな。
 黒犬を昼間に散歩させるのは可哀想だぞ。犬は汗かくことができないから夏場は体温調節が難しい。
 あんなに舌だしてハーハー言ってるものを、なぜ炎天下に歩かせる?
 10キロ歩きしながらちょっと憤り。

 それから、モルモットに首輪付けて引きずって歩くのもやめよ。
 この猛暑に、ダックスフンドに服とランドセルと帽子をかぶせて歩かせるのもやめよ。
 みんないったい、ちっちゃい生き物のこと、どう思ってんだ。

 と言いつつ、魚をばんばん釣ってたのはボクです。

 

8月6日(土曜日) 断酒105日目。測定できず。

 原爆投下の日である。
 広島県の高校球児がグランドでも黙祷する日である。
 米国の共和党員75%が、民主党員45%が落として良かったと思う日である。
 被爆者やその遺族たちがあらためて哀しみに包まれる日である。
 原爆病院ではいまだ放射線障害に苦しむ患者が一年を確認する日である。
 ボクは初めての原爆資料館の衝撃を思い出す日である。
 ボクは初めて8月6日をアメリカで過ごした日(22才)の、そのみじめさを思い出す日である。
 原爆のことを知らない人は、今からでも遅くない。原民喜の小説を読まなければいけない日である。
 原爆につながるその原因を、かつての日本もまた作ったのだ。その冷静な判断を失ってはいけない日である。
 あやまちは双方の国にある。それを受け止める日である。
 8月6日だけではないということを知る日である。

 さて、その8月6日。
 ボクは毎日キャリアナビ用の写真撮影のため、川越市内をぶらぶらと歩いていた。
 暑い。噴き出した汗がシャツに模様を作るような日であった。
 空が白く汚れていた。光が透明じゃない。ガッシュだ。
 光化学スモッグの影響らしい。
 かき氷を食べた。

8月5日(金曜日) 断酒104日目。測定できず。

 岩手県一関市と東京の往復である。
 今日は一関二高と花泉高校の就職志望者に講演。といっても60名ほどのこじんまりとしたガイダンス。
 先週と同じで色々なことをしゃべったが、基本的には「笑顔の社会人」になって下さい、というものでしかなかった。

 でも、社会はえぐい。ということをちょっと強調し過ぎたかもしれない。それは反省。
 自分自身が初めてフリーになって放送作家としてやっていく時、あまりにみじめな経験をしたからであろう。ついつい実社会のせちがらさみたいなことを言ってしまう。もちろん、だから厭世感にひたれと言っているわけではないのだが。
 老婆心というやつかな。

 それにしても・・・男の子も女の子も可愛い。
 東京の高校生とはまたちょっと違って、みんな懐かしい顔をしている。何だかボクの時代の友人たちを見ているような気分だ。
 「それぞれの人生を堪能してください」としめくくった。

 東京にとんぼ帰りして打ち合わせ一発。
 サントリーホールにダッシュし、久石譲さんのシンフォニーコンサートを見る。聴く。体験する。
 今夜はバスター・キートンの無声映画にフルオーケストラをぶつけるという企画である。

 練習では一度も合わず、カンヌ(映画祭)でもちょっとはずしたらしいのだが、どうしてどうして、大砲の玉一発の効果音までびしっと合った。しかも70分休みなしの熱演。場内は当然エンドレスの拍手である。
 オーケストラがすべて引っ込んだ後、ハプニング的に久石さん再度現れ、ピアノの独演である。もう帰ったお客さんもいるのに。
 これがまたエンドレスの拍手。

 久石さんの正体はロマンティックかな。

8月4日(木曜日) 断酒103日目。10キロ歩き15日目。体重80.9キロ。体脂肪率20.5%。

 暑い時に暑いと言うのは禁句だと構えつつ、土手を競歩している関係上、やはり凄まじく暑い。昨日くらっと来てしなびたトウモロコシみたいになりそうだったので、水分を補給しながらの歩行に変えた。
 
 ジム・ビーム(バーボン)のPR誌に載る絵を鋭意製作中。
 本当は原稿を進めなければいけない日なのだが、アクリル絵の具を使い始めるともうそれだけになってしまう。
 絵って不思議だな。
 どんなに眠くてもできるし、音楽をかけながらでもかえってその方が調子良かったりする。
  小説とはまったく逆だ。小説を書く時は音楽なんかとんでもない。睡眠不足も大敵。

 脳にはたしかに色々な場所があって、まったく違う働き方をしている。
 同じ姿勢の作業ながら、絵と文章をやってみるとそのことがよくわかる。

 同じ海を相手にしながら、ヨットマンとフィッシャーマンとダイバーでは気質がとんでもなく異なる。
 デスクワークにもそれぐらいの差異がある。
 七割がたの仕上げで今夜は脱力。もう何もできませぬ。

8月3日(水曜日) 断酒102日目。10キロ歩き14日目。体重80.9キロ。体脂肪率19.8%。

 今日はTBSラジオの夜の番組「アクセス」に出演した。
 ふだんのレギュラーの方が海外取材とかで、ボクはその代打。
 代打っていってもなあ、一度藤井誠二さんの回にゲストで呼ばれただけで、まったく流れを知らない番組。その回し役というのは荷が重過ぎる。 スマートに対応できるタイプじゃないから。

 案の定、始まってみるとテーブルの上の紙資料が散乱するだけで、理路整然としたことが何も言えない。相方のアナウンサーの伊藤さんが小気味いいリードをしてくれるので何とかなったものの、以前の自分の番組のようなわけにはいかない。あの時は紙なんてほとんどなかったから、全部自分の脳でやらねばならず、それがかえってまとまりを生んでいたのだ。

 いや、違うかもしれない。
 口の商売から書く商売へと、ボクの脳が変身しつつあるのかもしれない。
 ちょっとした言い淀みとかで、ボクはそれを感じることがある。
 実際、日々の口数も極端に減ってきている。
 うるさい男は好きじゃないので、それはそれでいいのだけれど。

 それにしてもみんなスペースシャトルで大騒ぎしているが・・・いつも背景に地球が映っているので、あまり宇宙という感じがしない。ボクからすればあの宇宙飛行士の皆さんは、世界でもっとも高いところで仕事をする「とび職の皆さん」に見えて仕方ないのだが、そんなことない?
 野口さんには、日本のとび職の伝統的衣装であるニッカボッカをはいてもらいたかった。
8月2日(火曜日) 断酒101日目。10キロ歩き13日目。体重81.6キロ。体脂肪率19.1%。

 ダカーポ「自分相談」の担当編集だったYさんが定年退職されることになった。
 キンダーガーデン(幼い頃お世話になりました)からマガジンハウスに転職されて35年。
 御本人はまだまだナイスミドルの雰囲気たっぷりで、女性からの熱い視線もそう珍しいことではないと見た。

 そこで、Yさんの定年祝いをともにすることになったマネープラスの編集長と銀座三越で待ち合わせ。
 男の勝負下着「スーパークラシカル・ふんどし」をプレゼントするためだ。
 
 しかしねえ、いくら流行っていると言われてもだよ、いざ三越の中に入ると「ふんどしどこですか?」とは聞きにくい。相手は女性店員ばかりなのだし。銀座だし。で、いささか卑屈なものの尋ね方になった。
 「すいません。プレゼントで探しているんですけど・・・ふんどしありますか」

 あるのよ。これが。
 今や銀座三越でも赤いふんどしきりりとしめたマネキンがあるのね。
 色だって赤や白だけじゃなくて、小学生の絵の具の箱ぐらい色々な色があるのね。
 やっぱりフンドメンは時代のさきがけだったというわけね。今さらなんだけれど。

 というわけで、ふんどしとスーパービキニなる真っ赤なパンツを買ってYさんに進呈。
 Yさん、嬉しそうな顔をして何度も御礼を言われていたが、最後まで「はく」とはおっしゃらなかった。
 でも絶対、一度は身につけると思うな。
 
8月1日(月曜日) 断酒100日目。10キロ歩き12日目。体重80.3キロ。体脂肪率19.6%。

 断酒、ついに100日達成。
 16歳でお酒を覚えてから初めてのことだ。
 意味があると思って始めた個人的(期間限定)戒律だけれど、さすがに何度も揺るぎそうになった。意味は何度も蒸発しかかった。かろうじてそれをくい止めてきたのだ。
 
 ボクは友人が酒を飲む場にしかいないため、誰かに会うとペリエなど水を飲みながらの付き合いになる。
 これがしんどかった。
 ちょっと腕を延ばせば幾らでも酒が飲めるという状況の中で、ほんと、何度も「飲んじゃおうかな」と思った。
 この意地っ張り、いったいどこから来ているのだろう。
 意志の弱い人間だと思っていたけれど、何だかどこかが違ったようだ。

 続いての目標は200日である。
 その間、執筆をしまくる。